Interview
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SAVE THE ENERGY PROJECT

SAVE THE ENERGY PROJECT コラボレーションクリエイター山縣良和氏 インタビュー

AmazonFWT 2018 A/W [RELATED EVENTS - Special]

SAVE THE ENERGY PROJECTとは?
2016年に経済産業省 資源エネルギー庁によって立ち上がった「SAVE THE ENERGY PROJECT (STEP)」。STEPは、省エネに積極的に取り組む企業やその企業から作られた製品に対して、新たな付加価値を加え、省エネに取り組む企業の製品がより消費者に選択されやすくすることで、そうした企業の製品を市場に広げ、結果として業界全体の省エネ取組を強化する仕組みを創出することを目指すプロジェクトです。

2016年に経済産業省 資源エネルギー庁によって立ち上がった「SAVE THE ENERGY PROJECT(STEP)」。3年目に入った今シーズンの活動として、Amazon Fashion Week TOKYO 2018 A/Wにて、SAVE THE ENERGY PROJECT に賛同する2ブランド「RYOTAMURAKAMI(リョウタムラカミ)」「PERMINUTE(パーミニット)」をフィーチャーしたランウェイショーの開催、渋谷のセレクトショップ「吾亦紅(われもこう)」でのポップアップショップ、「coconogacco(ここのがっこう)」でのSAVE THE ENERGY PROJECTなどに関するミニ・シンポジウムなどを実施する。 コラボレーションクリエイターとして起用された「writtenafterwards(リトゥンアフターワーズ)」・「coconogacco」代表である山縣良和氏に、SAVE THE ENERGY PROJECTへの思いや今シーズンの取り組みのご紹介、省エネとファッションとの関係性など伺った。

 

Angelo Flaccavento

RYOTAMURAKAMIのデザイナー村上さん

 

Angelo Flaccavento

PERMINUTEのデザイナー半澤さん

最初にSAVE THE ENERGY PROJECTの話を聞いた時、どのような展開をしたいと考えましたか?

正直なところ、エネルギーだったり省エネについて深い考察があるわけではなかったので、僕の役割は何かというところから考えました。その結論として、“SAVE THE ENERGY”に関連づけた何か明確な「提案」を発表するのではなく、coconogaccoなどを中心とした多面的な活動とリンクさせながら、プロジェクトを通して“SAVE THE ENERGY”を考えるきっかけづくりをすることが役割なのでは?ということに辿り着きました。僕も含めて、参画したデザイナーの2人もプロジェクトを通して学んで、さらにこれからファッション業界に入る若い世代にとっても、「SAVE THE ENERGYとは?」ということを考えるきっかけになればと思いました。

 

本プロジェクトのコラボレーションクリエイターとして、具体的にはどのようなことをご担当されましたか?

3月21日にSAVE THE ENERGY PROJECTのサポートのもと、コレクション発表を行うブランドとしてRYOTAMURAKAMIとPERMINUTEを選考し、“SAVE THE ENERGY”の取り組みを行うメーカーとして今シーズンコレクション制作にご協力いただく、株式会社サトー(長野県)と株式会社エイガールズ(和歌山県)を訪問しました。サトーさんはRYOTAMURAKAMIの、エイガールズさんはPERMINUTEの一部のコレクション制作にご協力いただきます。

 

各工場を視察された感想をお聞かせください。

まず、サトーさんもエイガールズさんも、若いデザイナーとも積極的に仕事をするという考えをお持ちで、大変協力的で有り難かったです。それらの視察を通して感じたことが、職人さんが長い間培ってきた技術とこれからの新しい技術の両方を大切にしているという点です。例えば、エイガールズさんには世界でここでしか作れないという100年以上前に製造された丸機械がある一方で、世界最先端の機械も導入している。このローテクとハイテクの二輪でものづくりに向き合うことが日本の産地の強みでもあると思いました。僕自身が今回のSTEPを通して学んだことなのですが、今後デザイナーとしてアウトプットする時、日本の繊維産地の技術としっかり組んで、振り切ったアウトプットをしていく必要性を感じました。昔から伝わる日本ならではの技術の掘り起こしと、今でないとできない最新のこと、さらにその両極を混ぜるようなデザインを追求してきたいです。製造現場での“SAVE THE ENERGY”は最新設備の導入に紐づけて考えられがちですが、日本にしかない技術や職人さんへのリスペクトなど、これからものを作っていくうえで、大切にしないといけないことに気づかされました。

 

RYOTAMURAKAMIのデザイナー村上さんと訪れた、長野県諏訪郡にある株式会社サトーの工場周辺の風景と工場での視察の様子

PERMINUTEのデザイナー半澤さんと訪れた、和歌山市にある株式会社エイガールズの工場周辺の風景と工場での視察の様子

 

山縣さんが主宰されているファッションクリエーションを学ぶ学校coconogaccoで、SAVE THE ENERGY PROJECTのミニ・シンポジウムも行うそうですね。

はい。3月25日にRYOTAMURAKAMIのデザイナー村上くんとPERMINUTEのデザイナー半澤くんと一緒に本プロジェクトを振り返りながら、“SAVE THE ENERGY”について向き合うきっかけとなるシンポジウムを行います。対象はcoconogaccoの在学生約100名です。これから国内外のファッション業界での活躍が期待される若者たちに対して、「SAVE THE ENERGY PROJECT」自体を「議題にあげる」ことを目的にしたイベントのひとつです。

 

Angelo Flaccavento

2017年3月に発表されたSAVE THE ENERGY PROJECTの共感マークと認定マーク。詳しくはこちら

今後、ファッション産業や消費者にさらにSAVE THE ENERGY PROJECTを広めるために、どのような活動やアプローチが必要だと思いますか?

SAVE THE ENERGY PROJECT共感マーク・認定マークとも印象的ですごくかわいいので、ウールマークのように多くの製品にマークが付いていって、これが本プロジェクトを知ってもらう最初のきっかけになっていくのが理想なのではないかと思います。このマークが付いている服が環境や未来につながっていくという信頼のマークのようになったらいいですよね。また、SAVE THE ENERGY PROJECTの活動を発信して認知してもらうことも重要で、今回のファッションショーやシンポジウムを通して、広くこのプロジェクトを知ってもらうきっかけになればと思っています。デザイナー側からも「SAVE THE ENERGY PROJECTに賛同している工場さんとお仕事がしたい」、そしてエンドユーザーからも「SAVE THE ENERGY PROJECTの商品を買いたい」という流れができれば素晴らしいと思います。

 

「おしゃれであること」と「省エネ」を両立させることの課題、そして可能性についてどのようにお考えですか。

世界的に考えていかないといけない大きな議題ですよね。僕が「サステナビリティ」という言葉に最初に出会ったのが14年前の2004年ですが、当時と比べると「サステナビリティ」という言葉が今では世界的にこれだけ浸透している状況を目の当たりにすると、これからもっとSTEPのような考え方が広がり、標準化されていくのではないかと思います。 coconogaccoが今年10年目で、現在19期生を募集中ですが、生徒たちの意識も年々、産地や伝統、環境などものづくりの原点に向かっているように思います。単に格好良いものに憧れるというより、ファッションを通して社会との接点をどう作ってアウトプットをしていくかということを重視しているように感じるので、これからますますSAVE THE ENERGY PROJECTを知って賛同するデザイナーたちが増えていくことを願います。

 

Yuichi Kodama

INTERVIEW by Shinya Miyaura

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