Interview
Interview

サラ・マイノ

サラ・マイノ Sara Maino/『ヴォーグ・イタリア』副編集長

AmazonFWT 2018 S/S 海外ゲストインタビュー vol. 3

『ヴォーグ・イタリア』副編集長、「ヴォーグ・タレント」主宰
Deputy Editor-in-Chief, Vogue Italia, Head of Vogue Talents

Amazon Fashion Week TOKYO 2018 S/Sの開催に合わせ、伊Vogue誌の副編集長を務めるSara Maino(サラ・マイノ)氏が来日した。世界各国のファッション都市やファッション・ウィークに積極的に足を運び、若手デザイナーの発掘に注力してきた彼女は、これまでに何度も東京を訪れ、日本人デザイナーの海外進出を数多くサポートしてきた人物だ。そんなサラ氏が、東京のストリートやカルチャーの印象、日本人デザイナーの課題などを、時に厳しい意見も交えながら、率直に語ってくれた。

 

Sara Maino

これまで日本には何度も足を運ばれているそうですが、東京の街やファッションに対して、どのように感じられていますか?

ファッション・ウィークのために来日するのは今回で3回目になり、毎回ショーを見ることはもちろん楽しみですが、それと同じくらい東京の街を歩くことが大好きです。ただ街を歩いているだけでも見るものが非常に多いと感じますし、東京のストリートやカルチャーからは毎回多くのインスピレーションやエネルギーをもらっています。

 

東京の中で特に好きなエリアがあれば教えてください。

東京はそれぞれのエリアに個性があり、印象が大きく異なるところが好きなのですが、中でも代官山は町並みや建物が非常に美しく、散策しているだけでも楽しい気分になります。また、先日は表参道の中でもこれまで足を伸ばしたことがなかったエリアに行ってみました。色々なものを見ることが大好きなので、常に新しい場所に足を運ぶようにしています。

 

Sara Maino

東京のファッション・ウィークに対してはどのような印象をお持ちですか?

もちろん、参加ブランドの違いはありますが、基本的には、パリやミラノ、ニューヨークなど欧米のファッション・ウィークと大きな違いはないように感じます。これは東京に限ったことではありませんが、今後ファッション・ウィークの運営側や参加ブランドは、ランウェイショーだけでなく、異なる見せ方も積極的に模索していくべきだと思っています。以前、グルジアのファッション・ウィークに足を運びましたが、そこに参加しているデザイナーたちのプレゼンテーションが非常に新鮮でした。パリや東京などに比べ、まだマーケットが構築されていないためリスクを取りやすいということもあると思いますが、パリや東京でそれができないということはないはずです。

 

今回のファッション・ウィーク期間中に印象に残ったブランドや、全体として感じたことなどをお聞かせください。

TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.(タカヒロミヤシタザソロイスト.)YOHEI OHNO(ヨウヘイ オオノ)RYOTAMURAKAMI(リョウタムラカミ)MOTO GUO(モト ゴー)、今シーズンはファッション・ウィークに参加していませんがChika Kisada(チカ キサダ)などに良い印象を持ちました。全体としては、東京の街中を歩いている人たちが非常に実験的なスタイリングをしていることと比較すると、キャットウォークはやや新鮮さに欠けるという印象を以前から持っていますが、今回もそこに大きな変化は感じられませんでした。キャットウォークとストリートのファッションがもっと近づくべきだということを言いたいわけではありませんが、インスピレーションを得る場所としてストリートは非常に大切ですし、その中から今、世の中に何が要求されているのかを理解していくことは重要だと思っています。

 

世界のファッションシーンにおいて、日本のブランドはどのように受け止められているとお感じですか?

私自身、これまで日本のブランドの海外進出をサポートする取り組みに数多く関わってきましたが、全体的には好意的に受け取られているように感じます。ただ、せっかくのチャンスを活かしきれてない若手デザイナーがいることも確かで、もう少し継続的にサポートをしていく必要性を感じています。これは日本のデザイナーに限らないことですが、若手デザイナーを見ていて、クリエイティビティよりもビジネスに偏り過ぎていると感じることがあります。先ほどお話したように、服づくり、ランウェイショー、ビジネスなど、あらゆる面で自らリスクを取ることが大切で、もっと実験的なことを試しながら、クリエイティビティを発揮していくべきだと考えています。

 

インターネットをはじめさまざまなコミュニケーションツールがある中で、ファッションにおけるプレゼンテーション方法も多様化しています。その中で、キャットウォークの位置づけは今後どのように変わっていくとお考えですか?

おっしゃる通り、現在はInstagramなどのSNSをはじめとするさまざまなツールがあり、これらはコミュニケーションを取る上で非常に便利なものですが、一方で、キャットウォークというものはコマーシャルの観点から未だにその存在価値は大きいと感じています。ただし、それは長く続いてきたファッション業界の慣習という側面が大きいことも確かなので、今後ブランドやデザイナーは、リスクを取ってでもさまざまな発表方法を試してみるべきだと思っています。

 

最後に、東京のデザイナーが世界で活躍するために、何が必要だと思いますか?

先ほどからお話ししているように、私が一貫してお伝えしたいのは、自らリスクを取るべきだということです。VOGUE ITALIAでは、若いクリエイターたちが作品をプレゼンテーションできる「UPLOAD YOUR TALENT」というオンライン上のプラットフォームを持っていて、世界中からアクセスがありますが、日本人からの投稿はほぼ皆無に近い状況です。これはそれぞれの国の文化にも関わることなので一概に言い切ることは難しいですが、控え目でシャイな日本人は、自ら積極的に動くことがあまりに少なすぎるように感じます。世界中からあらゆる情報が得られる時代になり、日本のブランドもInstagramなどを経由して注目を集めることはありますが、偶然見つけられることを待っているだけではなく、もっと外に目を向け、自ら発信していくべきです。そして、そのためにも最低限自分の気持ちを伝えられる程度に英語を使えるようにすることは不可欠なことだと思います。

 

Sara Maino

 

Interview by Yuki Harada
Interpretation by Aiko Osaki

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