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「J∞QUALITY」展  ~ 純国産品を証明する統一ブランド ~

「J∞QUALITY」展 ~ 純国産品を証明する統一ブランド ~ レポート&インタビュー

MBFWT 2016 A/W [RELATED EVENTS - Other]

「J∞QUALITY」とは、「織り・編み」、「染色整理加工」、「縫製」の全ての生産工程を日本の高品質な工場技術と匠のこだわりで仕上げた純国産品であることを証明する統一ブランドで、2015年2月2日に立ち上がった。

Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO 2016 A/W会期中の3月15日から17日までの3日間、純国産ファッション商品であることを証明する、新しい統一ブランド「J∞QUALITY(ジェイ クオリティー)」の制度と商品を紹介する展示会が、渋谷ヒカリエ8F COURTで開催された。本展示の模様を、「J∞QUALITY」事務局の宮原孝仁氏のインタビューと合わせてレポートする。

 

「J∞QUALITY」とは、アパレル製品の企画販売事業者が、「織り・編み」、「染色整理加工」、「縫製」の3工程を国内で行った衣料品を対象に、一般社団法人日本ファッション産業協議会による認証を受けた商品に、統一ラベルを付与する純国産表示制度である。産地活性化と、従来の「MADA IN JAPAN」を超えた日本ブランドの確立・真の日本製として国内外市場でアピールする狙いがある。

 

「J∞QUALITY」認証商品の展示

 

国内繊維事業者は高品質の工場技術を保有しているにも関わらず、バブル崩壊後のデフレ経済や円安の中の激しい価格競争に伴い、衣料品の生産拠点は賃金が安価な中国や東南アジアに移行していった。90年代初めには、国内で販売されている衣料品の半数は国内で生産されていたが、2013年には3.2%まで減少している。一方、国内生産事業者の持つ唯一無二の技術は、世界的に高い評価を受け、多くのラグジュアリーブランドに採用されてきた。
しかし、こういった生産事業者の優れた技術、品質、感性を生かした商品にスポットをあてたスキームとして、新たに当制度「J∞QUALITY」が生まれることになった。

本展示の構成は、「J∞QUALITY」認証商品の展示、「J∞QUALITY」の認証企業リストのパネル展示、新たに認証事業を開始することになった寝具寝装品分野・靴下分野の制度紹介の3セクションから成る。

「J∞QUALITY」認定商品では、株式会社オンワード樫山「五大陸」のスーツ、株式会社三陽商会「COTTO(コトゥー)」のセーターと「SANYO」の100年コート、株式会社東京スタイル「ナチュラルビューティー」のジャケットとワンピース、株式会社東京ソワール「ウンガロ ソワ」のセットアップフォーマル、株式会社レナウン「D’URBAN(ダーバン)」のスーツ、合計6ブランドの認証商品が展示された。各商品の「織り・編み」、「染色整理加工」、「縫製」の各工程で、どの認証企業が担当したかが明確になっている。

「J∞QUALITY」の認証企業リストのパネル展示では、ここ1年間で「J∞QUALITY」に認証された生産3工程に携わる最新の認証企業500件の一覧を、日本地図上に記したパネル上に表示された。

本展では、アパレル分野に続き、寝具寝装品と靴下も新たに「J∞QUALITY」認証分野として加えられると発表された。

寝具寝装品は、天然素材を詰め物にした布団やカバーシーツを対象商品に、認証がスタートする。布団に関しては「織り・編み」、「染色整理」、「縫製」の基本3工程を国内で行った側地(がわじ=表地や裏地の総称)に、除塵・選別の精毛工程を国内で行った詰め物を使い、国内で詰め仕上げしたものが認証される。
靴下分野は、靴下、タイツ、パンティーストッキングといった商品から認証がスタートする。靴下は「染色加工」、「編立」の2工程を国内で行うと、認証の対象となる。
寝具寝装品分野、靴下分野ともに、2016年4月から受付が開始し、2016年秋冬商品から販売予定である。

2015年よりスタートした「J∞QUALITY」は2年目に入り、国産高付加価値品の市場創造や、繊維産地の活性化を目指し、日本の繊維・アパレル業界が持つ技術力、想像力を結集したオールジャパンプロジェクトとして、認証企業・認証商品ともに拡大を続けている。さらに今後は、手袋分野に関しても、日本手袋工業組合とガイドラインを作成中で、2016年度中に開始する見込みとなっている。

Interview

「J∞QUALITY」運営事務局 事務局長代理
宮原 孝仁氏
一般社団法人日本ファッション産業協議会

現在、「日本製」のタグが付いて流通している衣料品の中には、「編み・織り」、「染色整理加工」は海外で行い、「縫製」だけ国内で行った商品もあります。しかし、この「J∞QUALITY」は当協議会が定めた厳しい基準に合格した「編み・織り」、「染色整理加工」、「縫製」に加えて、「企画」と「販売」を含めたすべての工程を国内で行った純日本製の商品のみに与えられるブランドです。
「J∞QUALITY」マークの付いた商品には、日本ならではの精緻な技と、内側にあるこだわりやストーリーが注ぎ込まれています。20数年前までは、衣料品の50%が純国産でしたが、今では3.2%にまで下がってしまいました。それに伴い、日本の産地企業は経営難や後継者問題など、早急に手を打たないとならない課題を多く抱えている状況です。「J∞QUALITY」を通して、国内のアパレルに国内の良い素材を多く使っていただき、産地の活性化を図り、3.2%という国内生産比率を少しずつ上げていきたいと思っています。この1年間で、業界内の認知度は上がり、認証企業数も500件となり、この春から販売する商品の登録ブランドも倍以上になりました。今後は、一般消費者の認知が広がるよう進めていきたいと考えています。

INTERVIEW by Shinya Miyaura

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