Interview
Interview

興梠 仁/景子 Hitoshi Korogi / Keiko

興梠 仁/景子 Hitoshi Korogi / Keiko ROGGYKEI(ロギーケイ)

TOKYO FASHION AWARD 2017受賞デザイナー/TOKYO FASHION AWARD 2017, Winning Designer

共に関西生まれ、インポートセレクトショップ、ストリートセレクトショップ、古着屋などで働いた後、大阪ファッションデザイン専門学校にてパターンメイキングを学び、パターン検定2級、3級を取得。
2006年バッグ、アクセサリーの販売からスタートし、2010年より衣服も販売。2014年に大阪中之島にコンセプトショップ兼アトリエを移転オープン。2015年、大阪の重要文化財“中央公会堂”にて初となる単独ショーを開催。2016年TOKYO FASHION AWARD受賞。

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セレクトショップから古着屋までさまざまなショップで働いた経験を持つ興梠仁氏と景子氏のデュオによって2006年に設立されたロギーケイ。着る者の国籍や人種、性別などを限定しないボーダーレスなユニセックスアイテムを多く展開し、そのメッセージ性の強いコレクションは国内外から高く評価されている。大阪にあるアトリエ兼ギャラリーショップを拠点にしながら、海外での発表にも精力的に取り組み、先日はTOKYO FASHION AWARD 2017受賞ブランドとして、Amazon Fashion Week TOKYOで初のインスタレーションも行ったふたりに話を伺った。

 

興梠 仁/景子 Hitoshi Korogi / Keiko
興梠 仁/景子 Hitoshi Korogi / Keiko

ロギーケイを立ち上げるまでの経緯を教えて下さい。

興梠景子(以下、景子):もともと私たちはふたりともショップの販売員をしていました。セレクトショップから古着屋まであらゆるジャンルのお店で働き、最初はふたりで洋服屋を開こうと考えていたのですが、どんなブランドを入れようかと考えていくうちで、自分たちで洋服をつくってもいいんじゃないかということになったんです。そこから専門学校の社会人コースでパターンを学び始めました。

興梠 仁(以下、仁):ふたりともパターンを学びましたが、最初につくり始めたのはバッグやアクセサリーでした。それが2006年のことで、その後、洋服のコレクションを発表したのは2010年。洋服を始めるまで時間が空いていたこともあり、バッグやアクセサリーのブランドとして認識されることが多かったですね。

 

早くから海外での展示も続けているそうですね。

:最初は2012年でした。大阪のある取引先に誘われて、パリの展示会に一緒に参加することになったんです。そこではオーダーはつきませんでしたが、その後、紹介してもらった現地の雑貨店にコレクションを持っていったところ、その場でオーダーをしていただき、それが海外での最初の取引になりました。その後は少し間が空いた時期もありますが、近年は継続的にパリで発表しています。

景子:海外に出るともちろんコストはかかりますが、お金には代えられない経験もたくさん得ることができました。色々なショールームを回ることで視野が広がりましたし、今後自分たちがどういうものをつくっていくべきなのか、そのために何が必要なのかというクリエーションにおいて非常に大切なものを肌で感じられたと思っています。

 

服づくりにおけるおふたりの役割分担はあるのですか?

景子:それぞれの得意分野などはありますが、明確な役割の分担はありません。ただ、一着の洋服を共同でつくることはなく、それぞれが担当するアイテムのデザインからパターン、サンプル製作までを担うことがほとんどです。もし、一着の洋服をふたりでデザインするとぶつかり合うことも多いと思いますが、私たちの場合はアイテム単位でそれぞれに委ねているところがあるため、そういう衝突はあまりありません。

:さすがに「それはどうなの?」と思うものについては素直に意見を言いますが、そういうものはつくった本人もあまり気に入っていない場合が多く、ストレートに言っても喧嘩にはなりません(笑)。

ROGGYKEI showroom.tokyo S/S 2018
ROGGYKEI showroom.tokyo S/S 2018

2017年6月にパリで行われたTOKYO FASHION AWARD「showroom.tokyo S/S 2018」の様子

 

スタート当初から、ユニセックスをメインに展開してきたのですか?

:はい。ブランドを立ち上げてからすぐ、阪急メンズ館の合同展に参加する時に、男性のお客さまを意識してクラッチバッグをつくりましたが、それを女性のお客さまが買って行かれたんです。その時の経験が今も鮮明に残っていて、いくら自分たちが売りたいと思うターゲットを想定しても、実際に買われるお客さまは必ずしもそうとは限らない。その頃から性別も含めターゲットをあまり絞らず、気に入っていただけるお客さまにお届けするというスタンスです。性別だけに限らずボーダーレス、ジャンルレスという感覚が自分たちのベースにあり、当初つくっていたアクセサリーに関しても、洋服を着ることと同じようにアクセサリーも着てもらいたいという思いで、「Clothes as accessories, Accessories as clothes」というコンセプトを掲げていました。

 

ROGGYKEI showroom.tokyo A/W 2017
ROGGYKEI showroom.tokyo A/W 2017
ROGGYKEI showroom.tokyo A/W 2017

2017年1月にパリで行われたTOKYO FASHION AWARD「showroom.tokyo A/W 2017」の様子

先日、TOKYO FASHION AWARD 2017の受賞ブランドとして東京で発表したインスタレーションのテーマも「共存」でしたが、これも今のお話と通じるところがありそうですね。

景子:そうですね。さまざまな人種や性別の人たちが「違い」を尊重できるような、争いがない平和な社会が理想的だと考えています。もちろんそれを実現するのは簡単なことではないですが、自分たちが考えているそうした思いやメッセージを洋服を通して伝えていきたいと思っています。シーズンテーマに関しても、世の中の状況や日常の中でふたりが感じたことなどをキーワードとして挙げ、そこから自分たちが最も強く伝えたい部分を抽出していくことが多いですね。

:それらを洋服に落とし込んでいく上では、素材選びとパターンにこだわっています。デザインとの相性を考えながら、自分たちが納得できる素材を選び、しっかりとパターンを引く。こうした洋服になる前段階にこだわっていくことで、必然的に出来上がるものも美しくなるはずだと考えています。

景子:素材にしてもそうですが、服づくりにおいてメイドインジャパンであることも意識しています。また、最近は天然素材を使うことが増えているのですが、なるべく端切れが出ないようにデザインしたり、端切れを使って洋服をつくるなど、環境に配慮した取り組みにも力を入れています。あまり凝り固まり過ぎるとファッションから離れてしまうのでバランスが大切ですが、最近は店頭で端切れの再生展などをするとお客さまから非常に良い反応を得られます。もともと私たちは販売員出身なので、自分たちのお店でこうしたメッセージを伝えていけることも強みだと考えています。

 

 

Interview by Yuki Harada
Photography by Yohey Goto

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