Interview
Interview

アンジェロ・フラッカヴェント

アンジェロ・フラッカヴェント Angelo Flaccavento/ファッション評論家

AmazonFWT 2018 S/S 海外ゲストインタビュー vol. 6

1972年、イタリアシチリア生まれ。現在もシチリアに暮らす。
Il Sole 24 Ore、GQ、Fantastic Man、L'Uomo Vogueなどに寄稿し、BoFの編集者としても活躍している。

[ Website ] Il Sole 24 Ore http://www.ilsole24ore.com/

[ Website ] GQ https://www.gqitalia.it/

[ Website ] Fantastic Man http://www.fantasticman.com/

[ Website ] L’Uomo Vogue http://www.vogue.it/en/l-uomo-vogue/

[ Website ] BoF https://www.businessoffashion.com/

L’Uomo Vogue」や「GQ」など様々なファッションメディアに寄稿する他、イタリアの経済紙「Il Sole 24 Ore」ではスタイルジャーナリストとして活躍しているファッション評論家のAngelo Flaccavento(アンジェロ・フラッカヴェント)氏が、Amazon Fashion Week TOKYO 2018 S/Sの会期に合わせて来日した。世界中のファッション・ウィークを回っている彼だが、東京のファッション・ウィークは今回が初めて。東京のファッション・ウィークに対する感想や東京の街やファッションについて、話を伺った。

 

Angelo Flaccavento

来日は何回目ですか?

6回目です。初来日は2014年に「GUCCI 50 years in JAPAN」の一環で開催されたイベントの時でした。その時は、グッチのクリエイティブ・ディレクターをしていたフリーダ・ジャンニーニも来日していました。昨年も「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」の取材で訪れました。

 

今回の来日では、どこに行かれましたか?

まさに今日、COMME des GARÇONS(コム・デ・ギャルソン)とISSEI MIYAKE、さらにハンカチ専門店のH TOKYOなど、青山・表参道を回って、お昼は人形町にある㐂寿司に行きました。すごく美味しかったです。イタリア人にとって日本食といえばお寿司なので(笑)、必ずお寿司を食べたいと思っていました。 あと、来日時にはいつも東急ハンズに寄ります。スーツケースの重さを測るラゲッジチェッカーや、ユニークなものがたくさんあるので友人へのお土産を探しに行きます。良いものを見つけても、吟味するタイプなので、いつも時間をかけてショッピングしています。

 

Angelo Flaccavento

東京のファッション・ウィークの雰囲気はいかがですか?

今回、初めてでしたので、いろいろなものを先入観なく見ることができました。まず、ミラノやパリと比べると来場者の外国人の比率が低いように感じました。また、海外ではまだ知られていないブランドの参加が多いことも気になりました。やはり、ブランドとして成長すると海外で発表するようになるのでしょうか。

 

今回ご覧になったショーで、特に印象的だったブランドや気になっている日本ブランドはありますか?

デザインがシンプルでクラシックな、HYKE(ハイク)はとても好きです。今日、ユナイテッドアローズのショップで、目を引かれたのもHYKEでした。sulvam(サルバム)も好きです。ここ2シーズン、ミラノでショーをされていますが、実は私は彼(sulvamデザイナー藤田さん)に「ミラノでショーをすべきだ」と提言した一人でもあります。sulvamを初めて見た時に、Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)のテイストもありながら、フレッシュで挑戦的で、若手ならではのエッセンスも感じました。HYKEもsulvamも、日本らしさを非常に感じますね。あと、beautiful people(ビューティフルピープル)も注目しています。

 

Angelo Flaccavento

ファッション以外で日本の魅力を感じるところはありますか?

建築や家具、テキスタイルなどですね。西洋では左右対称が美しいとされていますが、日本はむしろ逆で、アシンメトリーなデザインが溢れているので、そういった美的感覚を刺激されるところが好きです。破くのがもったいないような丁寧なラッピングや、繊細な心遣いに通じるような侘び寂び(わびさび)文化もいいですね。ミラノに日本食レストランが立ち並ぶ通りがありますが、そこで寿司やラーメンなどをよく食べています。お好み焼き屋さんもできるといいなと思っています(笑)。

 

日本の雑誌やウェブサイトもチェックされますか?

そうですね、イタリアではあまり日本の雑誌は手に入らないのですが、『BRUTUS』や『POPEYE』が好きです。月刊だった頃の『STUDIO VOICE』も好きでしたね。

 

Angelo Flaccavento

アンジェロさんご自身についてお伺いしたいのですが、ファッションに興味を持ったきっかけは何ですか?

ブティックをやっていた叔母の影響で、10歳を過ぎた頃からファッションに興味を持っていました。80年代でしたが、叔母にミラノのファッションショーに連れて行ってもらったこともありました。ミラノのショップも一緒に回って、COMME des GARÇONSのウィンドウを見た時に「このブランドが一番好き」と私は叔母に言いました。コンクリート打ちっ放しの壁にただ一着のジャケットが掛けられているという非常にシンプルながらストイックなディスプレイに、幼心に衝撃を受けました。

 

仕事、プライベート問わず、注目しているトピックスはありますか?

私は大学で美術史を専攻していたので、もともとはファッション畑の人間ではありませんが、ファッションに面白さを感じ、評論家になったのは、ファッションは単なる衣服だけではなく社会情勢やセクシャリティ、カルチャーなどと深く関係して生み出されるものと知ったからです。ファッションとカルチャーとをつなげて考えることが大好きなので、そういった記事に関心がありますね。

 

様々な媒体に寄稿されていますが、最近、反響のあった記事を教えてください。

ミレニアル世代についての記事は賛否両論でしたね。ヨーロッパのファッション業界では、お金を持っている彼らのことばかりマーケティングされていますが、違う価値観を持って、ガレージで音楽を作っているようなお金の無いインディペンデントな若者も多く存在するという批評をしました。あとは、毎シーズン、ファッション・ウィークのレビュー記事は人気がありますね。パリのファッション・ウィークではsacaiやUNDERCOVER、beautiful peopleなど、一部のショーを除いてがっかりした」という批評を書いたら日本贔屓なのではないかと言われたりもしました。ただ、パリでは、準備期間がほとんどない状況でデザイナーたちが発表するコレクションは内容が浅く、スタイリングの見せ方になっていると非常に感じますし、残念でなりません。

 

仕事上、多くの媒体・SNSをご覧になっていると思いますが、日本のデザイナーやブランドの情報発信については、どのように感じられますか?

私が日本人を尊敬しているのは、伝統と革新のバランスが取れていることです。しかし、ファッション業界においては、情報発信ツールとしてデジタルを活用しきれていない印象があります。日本らしい革新性やサプライズを投稿することによって、独自性を出すことができると思います。とは言え、自分のインスタグラムは一般公開しておらず、プライベートなこととして、誰でも受け入れたくない気持ちもあったりしますが(笑)。 最近、CELINE(セリーヌ)がインスタグラムを始めましたが、作為的ではなく、生身の人間が投稿している感じが伝わってきて魅力的なので、ぜひチェックしてください。

 

最後に、インタビューしたい日本のデザイナーはいますか?

それは、もちろん、COMME des GARÇONSの川久保玲さんです!彼女は口数が少ないのでインタビューは5分も続かないかもしれませんが・・・彼女には、仕事の仕方や世界観、インスピレーション源などをお伺いしたいですね。

 

Angelo Flaccavento

 

Interview by Akane Fujioka
Interpretation by Hiroyuki Takagi

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